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脳卒中片麻痺患者の予後予測の方法 脳画像基礎の基礎のき CT、MRIまとめ

 

はじめに

脳卒中の予後予測は難しいです。

 

特に「脳画像」なんて言われると食わず嫌いかのように拒否反応が出てしまいがちです。

 

今日はそんな脳画像の話を予後予測につながるように基礎から記載していきます。

 

脳画像の基礎 CTMRI

脳画像の診断で主に使用されるものはCTとMRIです。まずはこれらを整理します。

CTとは

Computed Tomographyの略語で、コンピュータ断層撮影のことです。

 

CTの特徴として

メリット

・短時間で可能(全身の撮影に3秒程)

脳出血の診断が行いやすい

・後述するMRIのデメリットである金属を体内に入れている患者にも可能

デメリット

放射線を使う為、いくらか被ばくしてしまう

 

が挙げられます。

まず救急車で病院まで運ばれ脳卒中が疑われる場合には治療が早ければその分予後が良好となります。

 

その為短時間で可能で、体内金属のリスクの少ないCT検査が行われることが多いです。

 

 

MRIとは

magnetic resonance imagingの略語で核磁気共鳴画像法のことです。

MRIの特徴として

メリット

CTに対し画像が鮮明に見えやすい

放射線被ばくの心配が少ない為、子供・妊婦に利用しやすい。

多種類(T1強調画像、T2強調画像、FLAIR画像、拡散強調画像)の画像で変化を知ることができる

画像を水平面だけでなく、前額面で見ることができる

 

デメリット

強力な磁気を使用するため、金属(ペースメーカー、ネックレス、ヘアピン、入れ歯等)を身に着けたまま使用できない

撮影に時間がかかる

高価であり、すべての病院にあるわけではない

 

脳画像の基礎

見方

CT、MRI共通で、画像は患者を足の方から眺めているような断面図になります。

 

要するに画面に向かって左が患者の右で、画面に向かって右が患者の左側になります。

 

上が前面(腹側)で、下が背面です。

 

基準線

断層像は矢状断、冠状断、横断の3つがある。そのうち最も使用頻度が高いのが横断像です。

 

頭部CTでは眼窩中点と外耳孔中点を結ぶ線(Orbitomeatal Line:OM line)を基準とすることが多い。

 

MRIの基準線は前交連(anterior commissure:AC)の上端と後交連(Posterior commissure:PC)の中心を結ぶ線(AC-PC Line)と、鼻根部と橋延髄移行部を結ぶ線が用いられる。

 

鼻根部と橋延髄移行部を結ぶ線はCTのOM Lineと並行に近く比較しやすく、AC-PC Lineは頭部構造の確認が行いやすいです。

 

CT,MRIのどのLineにおいても横断像は水平ではありません。腹側が頭側にあたります。

 

これは今後脳画像を見ながら立体的に考える時に重要となります。

 

 

T1強調画像、T2強調画像、FLAIR画像、拡散強調画像の違い

T1強調画像の特徴

CT画像と似た画像に見える。

解像度が高く、脳回・脳溝の形状を把握しやすい。その反面梗塞巣がわかりづらい。

 

T2強調画像

梗塞巣を把握しやすい。

脳回・脳溝の形状把握が難しい。脳脊髄液と梗塞巣の鑑別が難しい。

 

FLAIR画像

脳回・脳溝の形状が把握しやすい。脳脊髄液と梗塞巣の鑑別も容易。陳旧性の梗塞巣は低吸収域になる為、新しい梗塞巣と古い梗塞巣の鑑別ができる。

 

拡散強調画像(diffusion weighted image :DWI)

CT、T1、T2、FLAIR画像は発症直後(6時間以内)の脳梗塞の検出は難しいが、DWIは発症1時間後からの脳梗塞が検出できる。

陳旧性は目立たない為、今回の梗塞の鑑別ができる。

 

まとめ

CTは早く、脳出血の判断に有用。

MRIはみやすく、CTで分かりづらい脳梗塞の判断に有用。かつ梗塞時期の鑑別が可能。

横断像では患者を足元からみているように写り、水平に写っているわけではない。

 

 

 

お勧め書籍

脳の機能が日進月歩で解明され、またその情報が直ちに全世界に広がるインターネット社会の時代である現在では相乗効果でさらに加速し色々なことが解明されてきています。その状況下で理学療法士に求められるのは脳画像から予後予測できること、残存機能を十分に生かすことが大切です。この本はみるポイント、どの部位がやられたらどんな症状がでるかのコツがわかりやすいですので脳画像の本が無い方は導入の1冊としておすすめです。

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